UG第4層
ここまで降りてきた者にもはや腰抜けは居ないだろう。そういう奴らは殆どが今までの層でモンスターのオヤツになったり、自らスパイクに突っ込んでミンチになったり、気が変わって村を焼きに行ったりして人知れず消えた。
もしも億が一、まだ腰抜けが残っていたとしてもこの層に生息する人食い花のヘヴィビームによってケシズミにされる…ここはそういう所だ。
この層のギミックはボム、ワープだ。現状だとこの2つを無効化するアビリティを持つハンターは自分の知る限り常夏のラメール、ロッツァー、バルド、マクシマしか居ない。
もしかしたら平行世界のグラスマにはアビリティ枠を50個ほど保有し、全てのギミックを無効化できるヒェス限ハンターとかがいるかもしれないが、この世界には存在しないので関係ない話だ。
…話が逸れてしまった。
このダンジョンで最も危険な存在、それはボスやギミックでもなくタネ、及びそれらが成長することで変化するハナである。
こいつらは並みのS級危険種を凌駕する危険度を誇るといっても過言ではない。
決して放置してはならない存在だ。
ヤツらは生まれながらのスナイパーだ。こちらが無防備になるタイミングを完全に把握し、その刻を待ち、狙いを定めている。
そのタイミングはこちらがショットし終わった後にできる一瞬の隙だ。ヤツらはそれを見逃さない。
寸分の狂いもなく、ヘヴィビームが撃ち込まれた先には大量のヘヴィがぶちまけられ、ハンターの亡骸が横たわっている…
この第4層で幾度となく繰り返されてきた光景だ。
自分は先に突撃していった勇士たちが返り討ちにされるのを見てそのことを知っていたが、やはり"ヤツら"は強かった。
善戦虚しく、返り討ちにされてしまったのだ。
命からがら帰ってきた自分は考え込んでしまった。自分が弱くなったのか、それともヤツらが強くなったのか。
思い出せ。前回来たときはどうやってここを突破したのかを。
そこから先は原稿用紙800枚にも渡る壮大な冒険譚が書けるような内容なのだが、残念ながらブロゴには字数制限という物が存在するし、読者にも機嫌という物が存在する。
詳しいことは割愛するが、導き出された結論が「限界まで加速したヴロートアックスでぶん殴る」だったことを記しておきたい。
やはりパワーこそ力。人類の英知は自然に打ち勝てるのだ。
次は一区切りとなる第5層だ。
以上。